社友のお便り

2021年04月22日 社友のお便り

丸紅従業員組合主催のオンラインセミナーで
お話させていただきました

室 厚美 (1988年入社)

筆者近影

 緊急事態宣言中の3月のお昼休みの時間に、丸紅従業員組合主催のオンラインセミナーで社員向けの講師をさせていただきました。この経緯としては、社長が「2024年までに新卒採用の総合職の半数を女性にする」と発表したことに端を発していて、総合職女性一期生の私に声をかけていただいたものです。
 私が入社したのは昭和63年ですから、もう30年以上前になりますので、今とは状況がかなり違いますが、商社OGとして地方議員の立場になって振り返ると、商社勤務で知らずに身に付いていた思考や行動様式が今に役立っていることを実感しているので、そういうことを現役の皆さんにも伝えたい、そして自分の将来に悩んでいる時に、私の退職後の経験が少しでも参考になったり励みになったりするといいなぁと思ってお引き受けしました。タイトルは「女性総合職一期生から地方議員に~なぜ挑戦し続けるのか~」です。
 画面に向かって一方的に話すことに慣れず落ち着きのないところもありますが、その姿を録画してもらったものをユーチューブにアップしましたので、お時間のある方はご覧いただければと思います。
https://youtu.be/0--zLHvkIeY


セミナーのスライド


 皆さんからの反応が大きかった内容の一つは、「一番の重要性」です。一番と言っても二通りあり、Bestの意味での一番(上)を目指すためには尋常でない努力が必要だったり、次に優れた人が出てくると追い抜かれたりしてしまうので、困難を極めます。一方、Firstの一番(初)は、誰もがやっていないことに足を踏み入れる勇気さえあれば誰でもできますし、次にどれほど優秀な人が出てきても“一番”でなくなることはないという初挑戦の有用性をお話しました。「商社で女性総合職第一号」なんて、死ぬまで使える肩書です。
 もう一つは、「失敗」を違う定義で捉えようということです。これは受け売りでもあるのですが、本当の失敗は、データを取れないこととそれを次に生かせないこと、と考えています。例えば私の場合、一回目の市議選で落選(=世間的には失敗)しましたが、その経験をもとに敗因を分析して次に当選できたので、データを取れた一回目の挑戦を失敗とは呼ばない。もし一回目の時に挑戦していなくて二回目の時が初挑戦だったら、その時に落選した可能性もある、と考えるわけです。そうすると、一番の失敗は「何もしないこと」(=何のデータも取れない)なので、迷った場合には挑戦することをお勧めしました。

 私の講演をきっかけに、館山に、地方に、議員や自治体の首長の仕事に、興味を持つ人が一人でも増えてくれることを期待しています。個別に、議員に興味があるとか、仕事で相談したい、という話もいただきました。実は、(企業版)ふるさと納税など、地方と関わっていく上で興味深いことをいくつか話しそびれてしまったのですが、また機会があればどこかでお伝えできればいいなと思っています。

(むろ あつみ・1988年入社・千葉県在住)

室様の過去のご寄稿はこちら


私が館山市議会議員になったワケ(2017年6月掲載)
https://www.marubeni-shayukai.com/letter/letter_main/entry-125.html


私が市長選挙に挑戦したワケ(2020年5月掲載)
https://www.marubeni-shayukai.com/letter/letter_main/entry-595.html


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