丸紅社友会ホームぺージ(HP)編集委員の白石寿太郎です。1978(昭和53)年入社で事務管理部(現在の情報企画部)に配属となり、海外駐在(バンコク)や出向(丸紅情報システムズ、丸紅ITソリューションズ)を含めてシステム畑一筋の会社生活でした。
同様に一筋なのが、相互会写真部です。人材不足のために入社4年目から、駐在や出向期間を除いた21年以上にわたって写真部長を務めていました。この経緯もあり、2017年度からHPのメインビジュアル(表紙の写真)を担当しています。
前任の榎原等さん(1962年入社)は、私が配属された時の指導役でしたが、社友会HP編集委員でも引継ぎを受けることになりました。その時に、榎原さんから「HPに載せる写真は極端な横長サイズだから、写真を撮る目がおかしくなるよ」とお話しいただきましたが、まさにその通りでした。撮影時にのぞき込むファインダーは横縦比「4:3」ですが、HPは「4:1」。撮影した画面の3分の2を捨てることになります。
よかれと思ってシャッターを切った写真ですから、3分の2を捨てることには抵抗感がありましたが、HP用にトリミングしてみるとかえって情報の集積度・密度が上がるように感じることも多々あり勉強になります。
HPが2018年9月に現在の形にリニューアルされたことに伴い、外注していたHPの更新が内製化されました。メインビジュアルも毎月更新することになり、より季節感に沿った写真を掲示できるようになりました。2年前に「サラリーマン卒業」した私にとって毎月のメインビジュアル選定は、脳に刺激を与えてくれる貴重な機会になっています。
この作業は4年間、私がひとりで担当してきましたが、社友となった写真部員も増えてきたので、6月からは社友・写真部員の皆でメインビジュアルを支えていくことにしたいと考えています。先輩編集委員から「これを機に白石写真の記録を掲載しては」とアドバイスいただき、HPに掲載した130点弱から「春・夏・秋・冬」夫々で12点ずつを選び、掲載した「4:1」の短冊版と「4:3」のオリジナル版を並べてご覧いただくことにしました。
写真をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。
門前仲町近くの大横川にかかる桜 (2021年4月掲載)
例年の「さくら祭」で川面が花筏となるころには、手漕ぎ和船に乗った花嫁が観衆の祝福をうける光景も見られます。
木場の汐浜運河で鳴くメジロ (2020年3月掲載)
メジロは花の蜜が大好きで、夢中になると警戒心が薄れるそうです。メジロのシャッターチャンスは花の季節なのかもしれません。
佐倉ふるさと広場のチューリップ (2019年4月掲載)
佐倉ふるさと広場では、40種類・30万本のチューリップが咲き誇ります。低い位置から青空とのコントラストを狙ってパチリ。
約4㎞の五色沼自然探勝路からは、色とりどりの8つの沼を見ることができます。若葉とともに新緑が映り込む水面を撮りました。
元々はこういう写真でした。鳴子ダムではGWに「すだれ放流」とダム前面の「鯉のぼり設置」を行っています。
オンネトー湖畔、朝露のクモの糸(2021年5月掲載)
蜘蛛の糸で光る朝露は、豪華な真珠の首飾りのよう‥‥。露が揺れぬよう、息を止めながら接写して切り取った一枚です。
佐倉ふるさと広場のチューリップ (2020年3月掲載)
チューリップを透過光で撮るためにカメラを地面の高さにおいて太陽を入れて撮りました。虫が見上げる視線です。
雪の月山を寒河江川から望む (2019年5月掲載)
寒河江川沿いに咲く桜。その奥で冠雪しているのは7月まで夏スキーが楽しめる月山。季節の端境を感じさせる光景でした。
ひたち海浜公園のネモフィラ (2019年5月掲載)
ネモフィラと空の青に溶け込むブルーのウェアで写真を撮るカップル。観光客の切れ目を狙ってシャッターを切りました。
ここで泳ぐ鯉のぼりの数は5000匹以上、ギネスの世界一認定だそうです。水面に映り込んだ下向きの鯉は、その数を倍に見せます。
磐梯山の噴火によってできた五色沼は流入する水質の影響で色合いが変わるとか。緑の沼に映る新緑は美しいの一言です。
ジュピアランドひらたの芝桜 (2019年5月掲載)
GWの東北旅行で寄り道したジュピアランドは芝桜の名所でした。撮影した展望台の標高は634m、スカイツリーと同じだそうです。
早朝の洞爺湖畔散歩。若い太陽に、見下ろす湖面が輝き始めます。一瞬しか見られない洞爺湖の表情を撮れたと感じました。
ニセコから望む朝の羊蹄山。山肌のグラデーションが浮世絵の「ぼかし」のように見えませんか? 不思議な光景でした。
利尻島の夕焼けは雄大でした。かつては漁網に付いていたガラスの浮き球越しに撮りましたが、振り返れば真っ赤な利尻富士が。
北緯45度線上に位置する幌延町の日本海沿い、南北3.1kmに28基の風車が並ぶ姿は壮観です。ここでも振り返れば利尻富士が。
熱気球からの十勝平野のまめ畑 (2021年4月掲載)
十勝平野は気球の「天敵」である高圧線が少ないそうです。25分のゆらゆら空の旅、この時は最高550mまで上がりました。
春はチューリップの名所である佐倉ふるさと広場の夏はひまわりが見事に咲き誇ります。真夏を感じさせる強い空にも負けません。
2015年のダム完成により広い地域が水没した夕張のシューパロ湖。湖面から顔を出す木々はまだ枯れ切ってはいませんでした。
タイ王国のトラットはカンボジア国境に近い県。駐在時代のスタッフに誘われて渡った秘島・クート島での朝のショットです。
観光パンフレットに載っていた「逆さ鳥海」が見えるポイントを探しに行きました。朝の草露でズボンをずぶ濡れにしながら撮りました。
「オトンルイ」とはアイヌ語の「浜にある道」という言葉に由来するそうです。巨大風車の羽根の先までは99mあるとのことです。
これも利尻の夕焼け。夏とはいえストーブを焚く利尻、カラダが冷え切るまで眺めていた味わい深い濃色の夕景でした。
スマトラ津波とコロナの年以外は、毎年「お里帰り」するタイのプーケットは「アンダマン海の真珠」と呼ばれているそうです。
夕陽の尾瀬を歩くハイカー (2019年10月掲載)
山小屋への道を急いでいるのは写真部員の皆さん。草紅葉を貫き白く光る木道が続き、今夜の宿はまだまだ先でした。
等々力不動尊の手水に映る紅葉 (2018年11月掲載)
この写真も写真部の日帰り撮影会でのショットです。紅葉に囲まれた等々力渓谷から不動尊までカメラハイクをしました。
夜空を眺めていたら、羽田を飛び立つ飛行機の航路に満月が‥! 慌ててカメラを持ち出して600mmの望遠レンズで撮ったショットです。
戦場ヶ原を金色に染める湯川 (2017年10月掲載)
奥日光を流れる湯川は、戦場ヶ原を染める黄葉で金色に輝いていました。オリジナル版だとそれをご覧いただけると思います。
これも奥日光の小田代ヶ原。オリジナル版では青空と草紅葉の対比を見ていただけると思います。
房総・館山の平砂浦の夕暮れです。波しぶきを浴びながらも、釣果を諦めない釣り人が一人だけ残っていました。
尾瀬ヶ原の夕陽を浴びて、風に揺れるススキがガラス細工のように輝いていました。少し、肌寒くなってきた頃です。
館山のゴルフ場脇を流れる小川に咲いた曼殊沙華。特別な景色とは言えませんが、小川の川面の動きを止めて撮ってみました。
10月の日光白根山のハイキングロードはもう雪に覆われていました。六地蔵に向かう谷には霧が溜まり幻想的な眺めとなりました。
日曜午後の尾瀬は人影の少ない撮影日和となりました。山肌を照らす日の光は早くも斜めの影を作り始めていました。
増上寺本堂横で紅葉した楓。赤さがよく揃ったもみじは、ほとんど日本でだけ自生しているそうです。
等々力不動尊の手水に浮く紅葉 (2020年10月掲載)
手水舎の水盤に浮く紅葉。わずかな風に水に映り込む空や黄葉にさざ波が立ち、紅葉を引き立てる背景になってくれました。
お台場の水上バスは都心まで20分のミニクルーズ。急接近してくるカモメたちをベイサイドのビルをバックに広角レンズで収めました。
羽田から福岡空港に向かう飛行機は富士山の近くを通過していきました。富士山をこの角度から撮れたのは初めてでした。
街路樹のイルミネーション (2019年12月掲載)
新たな超高層の街になった豊洲の街路樹がイルミネーションを纏いました。カメラを回転させながら撮ってみた1枚です。
朝霧高原の一角に位置する田貫湖は、富士山の全景を真東に仰げることで知られています。夜は月の出、朝は日の出を狙いました。
まだ暗いうちから漁に出る船が大磯の海を横切ります。その1隻に狙いを定め、光る水面のよい位置に来てくれるのを待ちました。
屈斜路湖を見下ろす津別峠。期待した雲海を臨むことはできませんでしたが、木々の間から上る太陽を拝むことができました。
横浜港出初式・消防船の放水 (2019年1月掲載)
毎年1月に赤レンガ倉庫周辺で実施される「横浜消防出初式」。混雑を避けて大桟橋に陣取り海上からの一斉放水を撮影しました。
黄水仙は仲春の季語とか。でも、房総・鋸南町の「をくずれ水仙郷」では年末から黄水仙が咲き誇っていました。
美ヶ原の最高峰・王ヶ頭(標高2,034m)には冬でもバスで辿り着けます。遮るもののない風に、氷は横向きにならざるを得ないようでした。
小松市の木場潟。凍てつくような空気の中、微動だにしない鴨たちは何の時を待っていたのでしょうか。
月山でのスノーシュートレッキング。微かな春への期待に氷は溶けて光り、芽鱗もぷっくりと膨らんで来ているようでした。
奥日光・湯滝の滝口で暴れながら落ちていく水を望遠レンズで撮りました。シャッターを切るごとに変貌する水の姿は見飽きません。
今後は社友の写真部員によるバラエティに富む写真がメインビジュアルを飾ります。 皆さんがご存知の方のお名前が撮影者として出て来るかもしれません。どうかお楽しみに!
(しらいし じゅたろう・1978年入社・東京都江東区在住)