特別企画

2020年09月04日 特別企画

よもやのテレワーク

森岡忠義 (1966年入社)

 新型コロナウイルス禍で不要不急の外出自粛が唱えられて、日々の散歩や(時にはスーパーでの買い物も兼ねる)、持病検診と薬で毎月3ヶ所の医院やクリニックへの定期通院は致し方ないとしても、さりとて過度の萎縮も考えものと思い、「3密」回避を意識しつつ近隣都県地域にも出かけて現在に至っています。例えば、埼玉県南西部に住む私は、4~5月の緊急事態宣言期間も含めて、近場の狭山丘陵ハイキングや高尾山登山、奥多摩湖巡り、群馬県八ッ場ダムや甲州市の笠取山腹にある多摩川源流地点見学や、月に一度は隣市のホームコースでのゴルフなど、日帰り外出を続けています。但し、通常ならば春季には会社の同期会総会など年次会が多く開かれる時期ですが、月例会も含めて全てが中止になったこともあり、3月からは都内23区部には出かけていません。


筆者近影(多摩川源流地点にて)

 いずれにしても、それ以外には在宅の時間が大幅に増えることでもあり、手付かずのままとなっている本やビデオに集中的に時間が使えるものと楽しみにしていました。
 ところが、4月に入って全く予期せぬ事態になりました。大阪市と四日市市でそれぞれ3~5人の従業員を抱えて飲食店を営む、小中学校時代の同級生の二人から相前後して電話がありました。彼らとは今でも毎年同級会の一泊旅行で顔を合わせている旧友でもあり、「新型コロナ対応で店を休業せざるを得ず、国や府県の助成金や給付金を受けたいが、申請の仕方が難しそうで自分にはできないし、知り合いに専門家もいないので申請書類を作ってくれないか ‥」というもの(どうせ暇そうなアイツに手伝ってもらおうとの魂胆?)。国や自治体の諸制度や申請の詳細も理解しておらず、社会保険労務士が手がけるような用務は自信がなく最初は断ったのですが、老友の強い依頼でもありやむなく引き受けざるを得ない結果となって、厚生労働省の「雇用調整助成金」や経済産業省の「持続化給付金」、大阪府と市共同の「休業要請支援金」、三重県と市協調の「感染症拡大阻止協力金」などに関する、申請書類作りを担う羽目となりました。
 それ以来、在宅時にはメール、ファックスや電話で、彼らに準備すべき必要な帳票書類を説明したり、彼らからは営業や雇用実態などの情報を得たりしながら、パソコンを相手に各種様式シートの記入作業に追われる日が多くなりました。特に4月に公表された「雇用調整助成金」に関しては、当初は提出書類の多さや作成の煩雑さなどハードルが非常に高くて、申請者側から不評が続出したことで、その後かなり簡素化されて私の作業も事なきを得ましたが、その他の給付金、支援金や協力金の申請様式書類も様々であり、各々の窓口に問い合せたりして素人の私にとっては慣れない作業で四苦八苦することが多々ありました。
 申請受付期限に間に合うよう完成させた各種書類をメールやファックスで送信して、彼らの方でエビデンス類を揃えて各受付機関に提出して、既に振込み受給したとか受理されて目下審査中などとの連絡を受け取っています。 そして、一時よりは作業量も少なくなって、読書やビデオに充てる時間も持てるようになっていますが、現在も新たに7月中旬に公表された経産省の「家賃支援給付金」の申請準備や、「雇用調整助成金」の継続申請の手伝いを続けています。
今や多くの会社で普及している在宅勤務ですが、喜寿を迎えた自分が今更社業でもないのにテレワークに従事するという、よもや予想だにしなかったコロナ禍ならではの、自宅での過ごし方となっています。
 余談ですが、旧友に対する協力は勿論無償ですが、彼らが恙なく支援金や給付金を享受できた暁には、それぞれの店で最高の料理をご馳走してもらえるような確約を、今から取り付けておこうかとも目論んでいます(笑)。
新型コロナウイルス流行の一日も早い収束を願いつつも、私の在宅作業がいつまで続くかは分かりませんが、現役の皆さんが日々ご自宅で従事しておられるような重要で責任ある業務ではありませんが、私も必要な場合にはテレワークで老友を手助けしていきたいと思っています。

(もりおか ただよし・1966年入社 埼玉県在住)


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