新春企画

2021年01月01日 新春企画

7回目の年男ーロータリークラブに入会してー

西脇 修 (1959年入社)

筆者近影

 淡々と 過ぎゆく中に 彩りあり の日々である。
 年男の機会に人生を振り返る機会をいただいた。84歳は橋年というそうである。世代の橋渡しの年と言える。
 約40年間の丸紅勤務を終えた20世紀の終わりに故松田義之氏(丸紅自動車販売)の薦めで地元の紀尾井町ロータリークラブに入会した。会員歴は既に22年になる。
 この稿を借りてロータリークラブ(RC)の紹介をさせていただきたい。
 RCは規模の大小を問わず、経営責任を有する経営者、専門家、職業人の集まりであり、職業倫理を第一義に社会奉仕に徹した組織である。奉仕団体には他にロータリークラブから独立したライオンズクラブ、子供の福祉を重視するキワニスクラブがあり、世界三大奉仕団体とよばれる。夫々に設立の主旨、運営方針が異なるようである。
 RCの名称は創始者であるポールハリス(弁護士)が中心となって開かれた定期会合の席で輪番(ローテーション)という意味から決められたとのことである。

 RCには原則一業種一社、週一回の例会出席義務(コロナ対策でオンライン参加も可)の他に一年毎に全役員が交代する制度があるが、会員同士がクラブ運営の苦労を共有するという効果がある。小生はこれをOne for All, All for Oneとよんでいる。

 職種が多様であるため、例会の場で自己の職業内容と意義を説明することが不可欠であるが、最近は若手会員の入会が多くなり、懇親会も重要なツールとなっている。
 RCはシカゴ発祥の国際的組織であり、加盟は国と地域で200以上、会員数は9月末現在、約120万人、内、日本は9万人である。
 日本のRCは地区ごとにあり、また、地区の下に分区があるが、小生のRCは千代田区を含む中央分区に属している。現在は所属会員が80名を超え、弁護士、会計士、医師等の専門職の他、デジタル関係のように今後の展開が期待できる新分野の会員が増えてきた。
 国際ロータリー(RI)本部の方針徹底や情報交換の目的もあり、毎年、各国輪番に大会が開かれる。大会には各年、全世界から2万人が集まり、種々の言葉が飛び交う。小生は事情が許す限り参加し、既にシンガポール、シカゴ、アトランタ、リスボン、コペンハーゲン、シドニー、ハンブルグ、トロント等の大会を経験した。
 この様に丸紅時代とは全く、異なった世界を味わっている。
 RCの発祥は1905年、日本の加盟は1920年であるが、ロータリー精神を実感したのは加盟直後の1923年9月1日正午に発生した関東大震災に際し、全世界のクラブから巨額の義捐金が続々と送られた時であるという記述がある(東京クラブの90周年記念誌)。

 RCでは地雷除去、ポリオ撲滅などの成果の他、毎年多数の交換留学生の相互交流のための資金援助を行っており、今後も新たな奉仕活動に挑戦できると思う。
 昨年来のコロナ禍蔓延、米中関係の動向などにより、今後の情勢は不透明であるが、RCは引き続き、国際平和に貢献できる重要な国際奉仕団体であると確信している。

(にしわき おさむ・1959年入社・東京都在住)



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