新春企画

2020年01月01日 新春企画

3巡目の近況

大隅 孝二 (1960年入社)

 皆様、明けましておめでとうございます。
還暦以来3巡目の年男です。本年の皆様のご健勝を心からお祈りします。 

 この年になれば、正月とはいえ昨日につながるだけの今日の日ではありますが,矢張り背筋を伸ばし居住まいを正して、はるかに遠くなにかを眺めやる気持ちになります。在職中は大変お世話になり有難うございました。75歳の時にすべての仕事はやめ、最近は老々介護状況ですが、平穏に暮らしております。 


男声合唱団 定期演奏会でバリトンソロ
於 浜離宮朝日ホール

   還暦のころから男声合唱と混声合唱を逐次復活し、いまだに下手の横好き程度ながらおよそ四半世紀、二つの合唱団で歌っています。自分としては年を重ね、かえって楽しさは増えて、音が改めて新鮮に聞こえることも度々あると感じています。いい酒が人をつなぐように、いい音が人の思いをつなぐように聞こえます。今年はモーツアルトのレクイエム、古典のマドリガル、上田真樹の組曲『終わりのない歌』などに取り組んでいます。
 もう一つの楽しみは読書です。神戸六甲山の地形を眺めて感じた不思議さ(連なる断層面)に興味を持っています。海外出張の折に見たサンアンドレアス断層やアフリカの大地溝帯は印象的でした。また、家の古い書付がきっかけで、江戸明治をどんなふうに生きてきたか(近現代史)、これからどのような社会になるか(社会・現代文学)に興味があります。浅学菲才の言葉が身に沁みますが、興味は尽きません。

 私の新入社員生活の朝は出勤簿に捺印から始まっていました。それからやがて60年たち、世の中でも身辺でも実に色々な出来事がありました。今はなるべく時間軸の目盛は長くし、しかもカメラを引いて距離を置いて物事を見ることにしています。人生は100年、ホモサピエンスは数万年、生命の誕生は十億年単位、宇宙は・・・そのはるかな時空に自分もあると思えるのも悪くないなどと妄想しているわけです。幸い、悪い夢を見る夜はずいぶん少なくなりました。

 今の世の中は『分裂』と『混沌』の言葉ばかりが優勢ですがやがて反転してくると思います。自分としては残された時間を、スイミングで健康を維持しつつ大事に使いたいと思う毎日です。

(おおすみ こうじ・1960年入社・東京都在住)


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