新春企画

2020年01月01日 新春企画

命短し 気ままなれ おきな

岡田 秀雄 (1958年入社)

筆者近影

 ゆったりとして、白い雲の浮かぶ青空を見上げていると、生きていることの素晴らしさを感じる。生きることは崇高であり、それは人生の本質であり、自己目的であると思う。人は、生まれるときも、死ぬときも他の人の世話になるような、頼りない存在ではあるが。

 ところで、これからも楽しく生きるためには、まず「認知症」にならないことが大切だ。考えると、私の趣味のいくつかは認知症の予防になりそうだ。外国語の読書、習字の稽古、囲碁である。今も英語読書会をつくって原書でさまざまな本を読んでいる。数年前からは古典ラテン語も独習している。ラテン語の知識は英語を読むときにも役立つし、二千年前の言葉に触れるのは、楽しい。約二十年前の退社を機に始めた習字の稽古は、指先の運動で頭脳を活性化するらしい。また囲碁も指先と頭脳を使うゲームなので、ヘボ碁を楽しんでいる。

 その一方、人生を楽しむには、身体の健やかさも大切だ。私の健康法は登山と家庭菜園だ。五十歳で再開した山登りは私にとって最高の趣味だった。奥穂高岳や白馬岳などにも張り切って登ったものだ。今や、近くの川辺を散歩するのが関の山だが。家庭菜園は現役のころから親しみ、自慢の趣味だったが、近頃は清新な空気が一番のご馳走だ。

 年を取ると身体の各所が経年劣化し、医者のお世話になることが多くなる。医者には、気後れすることなくお世話になろう。たまに、医学的な治療をせず、そのまま放っておくのが良いと診断されるケースもあるらしいが、切ない話である。
少しでも希みがあるなら、先端医療の技も発揮して、治療してほしいものだ。生きることは素晴らしいから。

 これからの日々も、素直に生きることを楽しもう。思うがまま生きて行こう。

(おかだ   ひでお・1958年入社・千葉県在住)


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