新春企画

2016年01月01日 新春企画

コントラクトブリッジに夢中な年男

萩原 伸介 (1968年入社)

英国会議事堂を背に

 今年は6回目の年男となりますが、3年前に始めたコントラクトブリッジ(通称ブリッジ)というカードゲームに、夢中になっている今日この頃です。
 ブリッジというゲームをご存知の方は、恐らくそれほど多くないかと思います。トランプカードを使い、4人が2ペアに分かれて競い合うゲームで、英国が発祥の地と言われています。例のサンドイッチ伯爵はこのブリッジに没頭する余り、時間セーブの為にサンドイッチパンを作らせたとか…。アガサ・クリスティの小説の題材にもなっています。あの山本五十六元帥も愛好家だったそうで、無理だと言われた真珠湾攻撃の成功を、ブリッジに喩えその心境を歌に詠んでいます。『グラスラは、ほど遠けれどリダブリて、ジャストメイキの心地こそすれ』(グラスラとはグランドスラム、他の片仮名もブリッジ用語です) 。最近では、ビル・ゲイツ氏や日産のゴーン氏等が熱心なプレイヤーとして有名なようです。


今まさに対戦中!

 色々なゲームと同様、上手くプレイをする為には豊富な知識と経験が要求されます。英国発祥の為か、横文字用語が多く、それらをゲームで理解し使いこなして行くには時間が掛かります。ゲームのポイントですが、先ずは、配られたカードの強さを各ペアが情報交換により総合評価し合い、相手ペアと競り合いながら、より強いカードを持つペアが、目標とする勝ち数(トリック)の獲得宣言をします。そして、宣言ペアは、相手ペアからの妨害(ディフェンス)を回避しながら、宣言トリックの獲得に向けプレイを進めて行きます。プレイ中の会話は禁止で、情報交換など意思疎通の為には言葉の代わりにカードなどを使い、複雑多岐に亘る沢山の約束事(基準、ルール、シグナルなど)を遣り取りします。ゲーム上達の鍵は、出来るだけ多くの基準やルールを身に着け、駆使すると言う事になります。始めた当初、それなりのレベルになるには数年は掛かると言われましたが、正にその通りだなと言うのが3年目の実感です。

 ボケ防止の為という目的もありましたが、プレイに必要な記憶力・分析力・実行力・決断力などは既に衰え、ボケるどころか、悪戦苦闘の繰り返しです。しかし、パートナーとの信頼感に基づき情報交換ができた時や、プレイ中の集中と緊張、目標トリックを取った時の達成感、更にはダウンした時の悔しさ・反省・挫折感、一方、ディフェンスとして相手をダウンさせた時の満足感や爽快感等々は、ブリッジでしか味わえない醍醐味ではないかと思います。因みに、私のパートナーは妻です。ご多分に漏れず紆余曲折ありましたが、何とか乗り越え、今では夫唱婦随で良きパートナーシップ(と信じています)を維持しています。

 国内では登録ベースで1万人以下と少ないプレイ人口の中で、驚いた事に、同期に2名の熱心な愛好家がいます。因みに私がブリッジ連盟から貰っている成績ポイントは、最近やっと1点を超えたばかりです。O君は1000点に近く、C君も数百点の持ち主とか。始めた時期や熱心さに相当な差があるとは言え、雲の上の存在です。

 駐在時代の余暇は専ら芝刈り(?)でした。何度か誘いがあった時に始めていれば、今頃はもう少し……と後悔しつつ、ブリッジの奥の深さに魅了され、日夜研鑽しています。たかがカードゲームなのですが、実に奥は深いのです。

 この紙面では詳細なゲーム説明は出来ませんが、これを機にブリッジに関心や興味を持たれた方は、日本コントラクトブリッジ連盟のHPを開けて頂き、どんなに面白いカードゲームなのか、紐解いて頂ければ幸いです。


(はぎわら のぶゆき・1968年入社・東京都江東区在住)


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