新春企画

2017年01月01日 新春企画

― 五もつ ―

松永 茂岐 (1956年入社)

筆者近影

 新年で84才の酉年を迎えることになった。この齢になると、彼岸に墓参をしても相手は私より年下のご先祖さまばかりだから、よくもここまで生き延びたものよと感慨深いものがある。

 84才というと今上天皇陛下と同じ干支で、私の場合は陛下が前立腺癌を患うと私も前立腺癌に罹り、陛下が心臓の手術を受けると真似したように私も心臓動脈弁の置換手術を受ける羽目になった。畏れ多くも天皇陛下とは同年同病の間柄で、これからも終活をしなければならないわけで、生前退位を希望されたご発言も分かる様な気がする。

 65才で自由人になってから20年弱、幸いにも毎日暇を持て余すこともなく過ごしてきたが、これは下記の『五もつ』のお蔭だと思っている。

  • 1.健康をたもつ
  • 2.目的をもつ
  • 3.趣味をもつ
  • 4.友人をもつ
  • 5.お金をもつ(ただし少々)

 これは、囲碁界のために私財を投げうって貢献した、故岩本薫九段(1902-1999年)の残した言葉で、「この5つの『もつ』さえ持てば、人生は楽しい」というものである。私はこの言葉を手帳に書き写して日頃持ち歩き、拳拳服膺(けんけんふくよう:⇒編集部註)している。
1 の健康については、散歩と水泳(後者は心臓手術後80才で残念ながら止めたが…)。
2 の目的については、無駄にも拘わらず、努力中の囲碁の上達。
3 の趣味と、4 の友人については、飽きずに継続しているザル碁・パソコン・酒とそれらに付き合ってくれる仲間たち。
5 のお金については、『少々』が肝要で、『お金と灰皿は溜まれば溜まるほど汚くなる』からだそうだ。尤も私の場合は、少々の域までも未だ大分足りないから安心だ。

 この場を借りて囲碁のPRをさせて頂くと、私は毎週木曜日に、横浜の関内駅近くの、また毎月第一月曜日には、新宿駅南口近くの碁会所で気の置けない丸紅OBたちと碁を楽しんでいる。ご関心の向きはご参加下されば大歓迎である。

編集部註:拳拳服膺(けんけんふくよう):心に銘記して、常に忘れないこと

(まつなが しげき・1956年入社・神奈川県藤沢市在住)


バックナンバー