新春企画

2018年01月01日 新春企画

「日本テニス発祥の地」について

柴田 政美 (1969年入社)

「日本庭球発祥之地」記念碑と筆者

 丸紅を退職して早や十数年、歳を重ねて6回目(72歳)の戌年を迎えました。今でも週3回、ラッシュを避けながら、横浜の自宅から東京の会社に通い、週末にはテニス、その合間を縫って時々ゴルフと、およそ文化的な趣味には程遠い日々を送っています。
 今回は、その中でも私がボランティアとして、クラブ運営にも携わっている横浜山手のテニスクラブ、横浜インターナショナルテニスコミニュティ(YITC)について、ご紹介したいと思います。日本の「もののはじめ」には事欠かない横浜ですが、このYITCも「日本テニス発祥の地」であり、今年創立140周年を迎える、我が国最古のテニスクラブです。
 1878年(明治11年)、横浜居留地に住む英国婦人が山手公園の中に創立した、「Ladies Lawn Tennis and Croquet Club」(明治政府は婦女弄鞠社と呼んだ)が始まりで、これがYITCの前身となりました。入口の左側に、昔使った石のローラーに文字を刻んだ「日本庭球発祥之地」の記念碑がありますが、これはクラブ創立100周年を記念して、1978年に建てられました。2003年には、CTC(The Association of Centenary Tennis Clubs:100年を超える歴史を有する、世界中の由緒あるテニスクラブを結ぶ協会)に加盟し、2013年には、公益社団法人(内閣府所管)に認定され、現在に至っています。また、YITCに隣接して「テニス発祥記念館」があり、貴重なテニス発祥期のファッション、ラケット、用具類が展示され、観光名所にもなっています。
 YITCの主な公益事業としては、伝統のクレーコートの維持、テニスを通じた国際交流イベント、障がい者支援(チャレンジテニス)、子供テニス教室、地元小学校へのテニス教室等があります。これらの事業は全てYITCの会員によるボランティアによって、成り立っているのが特徴です。イベントのパーティでは、特にYITC手作りの“おもてなし”が参加者の人気を博しています。昨年12月には、スポンサーの1社であるThe Bank of New York Mellonとの共催で、車いすテニスの国枝慎吾選手をお迎えし、特にジュニア、チャレンジテニスの生徒を対象に、交流会を開催し、大好評でした。
 最近の英国スポーツ医学誌によれば、テニスは健康寿命を延ばすのに最も適したスポーツの一つであるとのことです。テニス愛好者の皆様、是非ともテニスを継続し、健康増進に役立てて下さい。


柴田 政美  (しばた まさみ・1969年入社・神奈川県横浜市在住)


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