新春企画

2015年01月01日 新春企画

アジアの子どもたちのために
年男の抱負―200校達成に向けて

谷川 洋 (1968年入社)

左から2人目が筆者、3人目が門川京都市長。左上の壁に掛かっているのは、ラオスから来た象と門川市長の写真

 10年前に私が創立したアジア教育友好協会(AEFA)は、アジアの山岳少数民族のための学校建設事業と、日本の小中学校との国際交流事業という2つの事業を推進しています。建設校は合計191校(ベトナム128、ラオス51、タイ9、その他3)となりました。今年は12校を建設予定で、200校達成見込みです。日本の小中学校へ出かけて行う出前授業も累計370回を越えました。
 アジアの山奥には、商社マンとして世界を駆け巡ってきた私が全く知らなかった世界がありました。隔離された「桃源郷」。ゆったりとした時間が流れる「平和と隣人愛」の村です。でも一方では際立った「貧しさと無知」があります。学校がない世界もあります。


 しかし、そこに住む子供達には「素朴な生命力」と「目の輝き」があります。この子供達のために学校建設したいと思いました。彼らの逞しく素朴に生きる力を日本の子供達に届けたい・・・この思いが、活動の原点・推進力となりました。


ラオスの子供たち。新校舎の前で


教室不足で立って勉強するラオスの子供たち


 2015年は日本ラオス国交樹立60周年記念の年でもあり、ラオスでの学校建設に気合が入っています。昨年末ラオスから京都市に4頭の象が寄贈されました。象さんを一番喜ぶのは子供達です。お礼として、子供達の資金だけで建てた小学校を寄付するプロジェクトを門川京都市長に提案したところ、市長も大乗り気で一挙に市民運動に広げようと話が展開し始めました。
 AEFAは子供達だけの資金で、これまでラオスに2校、タイに1校建設しました。「頑張りカード」活動による「ワンコイン・スクール建設」です。何か良いことをすることで、自分を褒めてみよう。例えば、頑張りカード:家のお手伝いを頑張った。思いやりカード:お年寄りに電車で座席を譲った。我慢カード:小さい子ならジュースを我慢した。こうした良いことをするたびにカードに記録した上、10~50円貯金するのです。そして500円(ワンコイン)を貯めて寄付します。参加する学校ごとに特徴ある活動が展開されました。


 このプロジェクトを通じて、日本の子供達にアジアの仲間達の現状を知ってもらうと共に、物質的豊かさの中で失いつつあるものへの気付きを促し、思いやりや友情の大切さ、親の有難さなどを伝えるきっかけにしたいと張り切っています。
今年はラオスでは9校建設し、ラオスでの建設数を60周年に因んで累計60校にするのが私の抱負であり決意です。資金集めは大変ですが、絶対にやり遂げます。年男72歳の誕生日には60校目の開校式に参加しようと秘かに決意しています。夢は膨らむばかりです。


(たにかわ ひろし・1968年入社・東京都杉並区在住)


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