新春企画

2013年01月01日 新春企画

年男所感

大林 猛 (1959年入社)

昨年11月3日の高校同窓会で吟詠中

 多くの人や物に感謝しながら、6回目の巳年を元気で迎えました。

 人生の折り返し点といわれる還暦から数えて、最初の12年間を第二の人生の青年期、次の12年間を壮年期、更に12年間を老年期だと、私なりに位置づけています。壮年期の入口に立った今年(巳年)の年頭に当たり、還暦の頃、趣味として始めた「詩吟」への想いについて考えてみました。
 「詩吟」は江戸時代後期、一部の私塾や藩校で情感を込めて漢詩を素読(朗読)した際の節回しがルーツの古典芸能だと聞いております。腹式呼吸による発生や背筋の伸びた身構えにより、健康増進に役立つとも言われております。


 今では私の生活の一部に溶け込みつつある「詩吟」を、より広く、より深く学びたいという気持ちが、以前にも増して強くなっていることに最近気付きました。では、今後此の気持ちにどう応えるか。
 詩作者の人物像や詩作の背景を調べて漢詩を鑑賞し、その作品の世界を自らの肉声と詩心で表現できること。
 また、いつでも腹式呼吸による母音の明澄な響きが出せること。これらがいつでも自然体でできることを目標としたい。
 記憶力の減退で詩文の暗唱が遅々として進まなかったり、注意力散漫で詩文を忘れ、絶句して立ち往生することも多々ありますが、これは反復練習の質量を充実させるしかないでしょう。また、生来の猫背体質を矯正して、立ち姿勢を端正にすること。更に、長呼吸丹田呼吸法に習熟し、意識を下腹部に下げて上半身をリラックスさせること。これらは意識して普段から日常生活で心がけなければならないものと、決意を新たにしています。
 更に、漢詩をより良く理解するために、漢詩の故郷である中国の三千年の歴史、漢字、風俗、習慣などにも関心を向けて行きたいと、巳年新年の夢は膨らむばかりです。


(おおばやし たけし・1959年入社・神奈川県川崎市在住)


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