新春企画

2011年01月01日 新春企画

スイスより

佐多 直彦 (1961年入社)

 社友会のみなさま、あけまして御目度とう御座います。新年の御挨拶と所感を以下述べさせて頂きます。


筆者近影

 冒頭から気が狂ったのかと思われるような発言で恐縮なのですが、小生は丸紅時代散々好き放題の人生を、送らせて頂きましたので65歳の引退後まともに仕事を始める‥‥と豪語して参り、実際に引退後、日本の某社が買収したイタリーの機械部品工場のCEOを1年勤め、そのあとは10年がけで丸紅時代まったく御縁のなかった、商品トレーデイングの世界にのめりこみ、現在に至っております。その間、当地ジェトロの顧問なども一時引き受けるなど、いまだに体だけは至って丈夫ですので、あまり成果はまだ出ておりませんが、なんとか母と家内の母国であるスイスに定住し、自分なりに第3の人生を満喫しております。詳しくは弊サイトを一度御覧ください。

 その間、丸紅も日本も物凄い変動を経験しました。丸紅の、欧州会議で端っこにかしこまって鎮座ましておられた朝田さんがいまや社長‥‥とあってはまさに感慨無量としか申せません。小生が退職したころはまさに会社存亡の危機に面していたのですが、見事に立ち直られ、かってのように徒らに売り上げ競争を展開することなく、〈小粒なるもピリリと辛い〉存在となられたこと、極めて頼もしく感じております。今の政府に見習えといいたくもなりますね。


 幸いにして先進国では唯一黒字の国家財政決算をしているスイスからみて、今の日本は本当に心配です。
 かっての吉田・田中首相のように統率力のある人がまったく居ない‥‥というのが気になります。経済面では中国に数字では圧倒されているとはいえ、特にハイテク部門ではいまだに世界を牛耳っている会社が数多くあり、特に97パーセントを超す中小企業で優秀な会社がゴマンとあるのですが、彼らを育成の後押しをすべき政府があのように頼りなくては、まさに宝の持ち腐れになる ‥‥ と地球の裏側で切歯扼腕(せっしやくわん)している次第です。
 何はともあれ、皆様の御健勝を改めてお祈り申し上げます。


(さた なおひこ・1961年入社・スイス在住)


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