現役を退いた私が今、楽しんでいる言葉遊びを3つほど報告します。
演芸好きで大学では落語研究会に所属していました。聴くのが好きなのはもちろんですが演じるのも好きで、学園祭で初めて高座に上がって以来、今でも時々演(や)っています。OB仲間と一緒に国立演芸場などの劇場で年に一度発表会を開いており、近々15回目を迎えます。遊んで亭悠々という芸名で「粗忽長屋」にカルロス・ゴーンを登場させるなど、勝手に改作したネタを高座に掛けて楽しんでいます。また、大学や会社関係から出前落語のリクエストもたまにあり、これまでに長野は佐久の公民館、岐阜は関のお寺などで演じました。素人ですが、お声が掛かるのは大変嬉しいものです。
雑俳は江戸時代に広く流行した洒落・川柳を中心とした言葉遊びです。柳家さん遊師匠を宗匠に迎えて落研OB10名ほどで「一橋連」を組成し、今年で10年目に入っています。雑俳の遊び方にはいろいろありますが、例えば次のようなものです(○句はいずれも私の駄作です)。
■洒落附(お題の語句を頭にして洒落を作る)
お題:東京都内地下鉄駅名 ○練馬もないほど忙しい
お題:「奥の細道」道中地名 ○仙台は双葉より芳し
■立入川柳(お題の語句をどこかに使う)
お題:果物の名二つ以上 ○案ずるなニッポン完勝間違いなし(杏子、ぽんかん、梨)
■同字折句(上中下の頭に同じ字を使う)
お題:れ・い・わ、は、も可 ○反射するはた迷惑な禿げ茶瓶
一般の方からすれば、「これのどこが面白いんだ!」ということかもしれませんが、投句後の開き(句会)で宗匠から「天」に抜いてもらった時はまさに天にも昇る気持ちです。
社友会には「青葉会」はじめ大先輩が大勢いらっしゃいますから、ここで私が俳句を語るのは恥ずかしい限りですが、2年半前から若泉真樹先生の「藤の会」(千葉県のローカル句会)で先輩諸氏に交じって俳句作りをしています。乱暴な言い方ですが、私は俳句もまた言葉遊びの一つだと思っています(個人の見解です)。「凡人」の私ですが、これまで詠んだ句は次のようなものです。
○風鈴や世渡りのこと家のこと
○彼岸花に呼ばれ参道歩み寄る
○冷酒で語るあの頃同期会
毎月五句の投句が義務付けられていますがこれが私には荷が重く、先輩に「素人に五句のノルマはきつくないですか?」と聞いたところ、「ごく普通」とのこと。頑張るしかありません。
○戯れも七周目なり年男
(ほしの よしろう・1976年入社・千葉県在住)