社友のお便り

2015年11月01日 社友のお便り

楽しき哉!「史跡歩きガイド」

翠 政之 (1964年入社)

ガイド中の筆者

 子供の頃から歴史・地理が好きで、特に歴史関係の本を乱読してきた。したがって雑学的知識はそれなりにあるが、残念ながら体系的なものとは言いがたい。それでも結果として私が退職後に選んだのも歴史関連のボランティアで、横浜市歴史博物館ではいまだにガイドをしており、今年で12年目となった。他に、神奈川県立歴史博物館でも5年間ガイドを経験した。どちらにも詳しい先輩達がいて色々教えて貰った。

 これ以外にも郷土史の会などの史跡散歩に時々参加するが、お喋りと見られたためか、2~3の会で、たまにガイドをやるよう依頼された。引き受ける時は、当然それまでの先輩ガイドの得意な分野・地域は外す必要があり、自分なりに調べて新コースを用意する。無論、歩くルートや解説文は全部自分で決めるが、反応が好評だとやはり嬉しいし、次は別の地域のちょっと面白そうなエピソードを探すべく、さらに研究することになる。ちなみに、私の得意な分野は数年前から趣味としている中世城郭巡りだが、近くにあまり状態の良い城郭遺構の無いことが悩みの種である。

 昨年春、県立歴史博物館を退き、「神奈川区今昔ガイドの会」に入れて貰った。この会は神奈川宿などをガイドする事からスタートしたが、今は横浜市内を中心に40コース以上のメニューを持っており、毎年春秋毎に8~9回の企画ガイドを行っていて、毎回100人以上のお客さまをお迎えしている。しっかりした教育も行っているし、何よりも私にとってはルートも決まっているし、説明文についてもガイドマニュアルがあるので楽である。ということで、昨年秋からここでもガイドを始めているが、何故かここでも新コースの開発担当にさせられてしまった(開拓は商社時代から慣れてはいるが…)。会員の多くが神奈川区などの沿岸部に住むためか、田園都市線沿線に既存のコースが少なく、一方私は北部のたまプラーザに住んでいるので土地勘があり、また、説明に使う資料等のほとんどが、横浜市歴史博物館で手に入ることから、新コース設定は割合簡単にできる。11月には私が提案した初めての新コース、「荏田宿歩き」が予定されているので、反響が楽しみである。

 ちなみに、荏田宿は、江戸時代に盛んだった大山詣の際によく利用された大山街道(東海道の脇往還といった位置づけで、現在の国道246号にほぼ沿っている)沿いにあり、日本橋から行程7里、1泊目の宿場町として賑わった場所である。現在で言うと、東急田園都市線江田駅の近くだが、当日は、この地区を歩いて古街道にまつわる様々な伝承を探る予定である。

 好きな歴史の話をしながら、3~4時間歩くことは健康にも良いし、私の「史跡歩きガイド」の生活はこれからも暫く続きそうである。


(みす まさゆき・1964年入社・神奈川県横浜市在住)


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