英語読書会が発足して16年目になる。英語のスペルを忘れないように The Economist でも読みたいと思って有志に声をかけたのが発足の動機だった。本は当番が自由に選ぶことになり政治・経済・文学と範囲は広がっていった。当初の読書会メンバーは5人(川上・平野・松浦・石橋・石井)で2ケ月毎に開催していたが、現在は4人(岡田入会・川上死去・平野退会)となり3ケ月毎に第2水曜日に丸紅本社1階来客食堂で開催している。今年7月で83回目になったが出席率は100%。運営方法は次会の当番が当月の読書会時に本を各メンバーに渡し、次回にレジュメを纏めてくるのが慣例となっている。私の場合は読書会に適した本かどうか知るためザーと読み、3ケ月後の読書会までに単語や登場人物を調べ、レジュメを纏め、最後に翻訳本があれば、図書館で借りてきて読み比べることにしている。翻訳本の誤訳を見つけるのも楽しみ?の一つである。
私の選ぶ本は英国の女流探偵作家と決めている。英国は諜報の国であることに加え、筋は地味だが登場人物をじっくり描きその人の過去まで暴くので、読んでいて面白い。男性に比べ事件周辺の自然・家の様子など細かく女流作家らしく描いている。今までに読んだ中で良かったのは PDJames のThe Lighthouse であった。"Her works would be novels without a body(死体)." と言われたほどである。略歴・作品等はウィキペディア、Wikipedia に出ている。
次に読書会で読みたいと思っているのは、Josephine Tey の The Daughter of Time である。これは64年前に書かれた探偵小説である。最近駐車場地中から掘り起こされた遺骨がDNA鑑定の結果本人に間違いないものとされた Richard Ⅲ を扱ったものである。シェクスピアの作品のリチャード三世があまりにも有名であるため残忍な人物という説があったが、そうでもなかったらしいというのが最近の見方である。The Daughter of Time も興味をそそられる作品である。他のメンバーが Conan Doyle を取り上げたのでいずれ Agatha Christie の作品も選んでみたいと思っている。英語読書会をやっていることは1人で本を読むよりも張り合いがあるので、この読書会も当分続けたいと思う。興味ある方はご連絡下さい。以下に他のメンバーが担当した本の中から数冊選んで貰った。
The Catcher in the Rye by J. D. Salinger
ATONEMENT by Ian McEwan
The GOD Delusion by Richard Dawkins
岡田 秀雄(1958年入社)
新聞の日曜版に掲載される新版紹介から話題の本を選んだりしています。
気に入っているのを幾つかご紹介します。
Irrational Exuberance by Robert J. Shiller
(エール大学のシラー教授がブラックマンデイを予告した本)
The Apple-Tree by John Galsworthy
(ロンドンのエリート大学生と田舎の娘との悲劇的恋の物語。作家はノーベル文学賞受賞者)
Julius Caesar by William Shakespeare
松浦 秀機(1966年入社)
初期の頃は Harry Potter and the Philosopher's Stone や Who Moved My Cheese? など話題になった
人気作品を取り上げていたが、最近は Pearl Buck が昭和初期に九州で地震と津波の言い伝えをもとに書いた
The Big Wave や若き日のジョン万次郎を描いた Heart of a Samurai のような、古い本あるいは
既に知られている題材ではあるが現代の日本人の心に染み入るような作品を紹介した。
石橋 満(1977年入社)
(いしい てるお・1960年入社・千葉県船橋市在住)