社友のお便り

2024年06月12日 社友のお便り

社会貢献活動のすすめ

野津 浩、髙塚 謙次

投稿者近影
(左が野津さん、右が高塚さん)

 私たちはともに業務部(現グローバル総括部)出身で、現役時代は野津が中近東、高塚が中南米を中心に海外畑を歩みました。定年後、期せずしてABIC(NPO法人国際社会貢献センター、商社の業界団体である日本貿易会が設立した社会貢献団体)で、長年にわたりコーディネーターを務めてきました。本日は対談形式で社会貢献活動の魅力などについてお伝えします。


野津:私は2006年に定年退職しましたが、退職前の数年間日本貿易会に出向し、事務局長としてABICの運営に関わりました。退職後しばらくは他の仕事をしていたのですが、後任事務局長に新規活動分野開拓につき意見していたら、それならあなたがコーディネーター(CN)として切り拓いてほしいと言われ、2009年にCNに就任。その後今日まで15年間、ずっと政府関係機関、地方自治体や中小企業の支援を担当しています。


髙塚:私の場合は退職後に、ABICでCNをしていた中南米畑の先輩から、都内の中学校で駐在経験を生かした出前授業を頼まれたのがきっかけです。その流れでCNとなり、当初は国際理解教育を、数年後から野津さんと同じ、地方自治体や中小企業分野を担当することになりました。

野津:ABICの社会貢献活動、特に我々が担当している分野は、丸紅で培った知見・経験がそのまま生かせるのが魅力です。現役時代は「会社」のために稼ごうと一生懸命働きましたが、定年後は「社会」のためを第一に考えました。ABICでは、各自の条件・希望に合わせて活動することで、社会に恩返しができる。会員登録は無料で、活動は有償ボランティアが基本ですから、お小遣い程度ではありますが謝礼も出る。気力、体力に自信があれば気軽に最初の一歩が踏み出せ、充実した日々が送れます。

髙塚:確かにその通りですが、定年後は新しい分野にチャレンジして、新たな自分を発見したいという方にもABICは絶好の場を提供してくれます。小中高大学等の学校での授業、留学生や家族への日本語・日本文化教育や生活支援、オリパラなどのイベント開催に伴うボランティア、地方に移住してインバウンド誘致等での自治体支援、政府機関による海外派遣など、活動はバラエティに富んでいます。またABICが行う日本語教師養成講座では、第一人者の先生による授業を受けることができるほか、英語での講義が増えている大学での講義に備えた講習も開催しており、まさに至れり尽くせりの支援体制で、退職後に必要な知識を新たに身に付けて、社会貢献に生かすことができます。

野津:私の印象に残っている案件としては、JICA(国際協力機構)を通じて中東やアフリカに専門家を派遣する案件がありました。コロナ前のピーク時には10名を超える会員が海外で活躍していましたが、現役時代の駐在でお世話になった国・地域に恩返ししたいという熱血漢がたくさん応募して来られて頼もしい限りでした。残念ながら、コロナで減ってしまったのですが、ぜひ復活させていきたい。
逆にコロナ禍をきっかけにウェブ会議が当たり前になったことで、地方の中小企業への非常勤サポートが容易になり、輸出や首都圏での販売支援など営業分野のみならず、人事制度やガバナンス体制の見直しなど管理分野の支援要望も増えています。典型的には週に1回程度ウェブ会議を重ねながら、要所で現地出張することで、非常に効率的に支援ができる。一件支援を行うと、評判が現地で広がって、次々と依頼が寄せられ、ひとりで何社も掛け持ちしている会員もいて、商社は本当に人材の宝庫だと実感します。

髙塚:最近は商社以外の、メーカーやゼネコン、金融機関などにも会員の輪が広がっていて、技術的なニーズにも応えられるのがABICの強みです。愛媛県の中堅メーカーの技術支援案件では、大手電機メーカーで事業部の技術責任者をしていた人材を見つけ、他に再就職が決まっていたのを再考いただき、引受けていただいたこともあります。結果的に企業・会員双方にとり本当にハッピーな結果となり本当によかったと思っています。

野津:ABICについて語り合ってきましたが、2000年に設立された当初、我々の大先輩の故小河甫さん(当時業務部長)が大変な尽力をされたおかげで、出身企業別登録会員数では一貫して丸紅がトップを走ってきました。多数の丸紅関係者が活躍しておられるのは我々の誇りです。最近は他商社でも登録に力を入れ出して、独走とはいえない状況になってきました。活動会員としてプロフィールや活動希望分野をウェブサイト(https://www.abic.or.jp/)から無料登録すると、マッチしそうな案件の案内がメールで届きますので、ぜひ社友の皆さんにもご検討いただきたいと思います。
それからもうひとつ、私のCN在任中にぜひ全国制覇(全都道府県での支援実績作り)を成し遂げたいので、未達の以下9県(岩手、山形、新潟、栃木、奈良、長崎、熊本、鹿児島、沖縄)につてがある方は、ぜひ支援対象組織・企業もご紹介ください。火曜と金曜は10~15時までABIC事務所にいますので、お電話(03-6268-8604)いただいても結構です。よろしくお願いします。


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(のづ ひろし・1970年入社、たかつか けんじ・1971年入社)


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