行事報告

2017年04月14日 行事報告

2017年4月度関西地区社友会例会行事報告

日時 2017年4月14日(金)12時より
場所 丸紅大阪支社(新ダイビル31階)
講師 廣瀬悠・順子ご夫妻
演題 「世界を舞台に戦うために必要なこと」

 4月14日(金)、関西地区社友会の4月度月例会が開催されました。
今回は、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)に勤務され、昨年9月に開催されたリオ・パラリンピックの柔道で活躍された廣瀬悠・順子ご夫妻をお招きし、「世界を舞台に戦うために必要なこと」という演題で講演をしていただきました。講演の概要は、以下のとおりです。


1.パラリンピックについて


伊藤忠丸紅鉄鋼㈱提供
無断転載・使用禁止

 視覚障害者、精神障害者、肢体に不自由のある者が対象。
視覚障害者柔道は組んでから始める。組手争いが無いので技がかけ易く、一本が出やすいので見応えがあると言われている。
リオの選手村は24時間食べ放題ビュッフェ。周囲の情報では味はいまいちだとの話もあったが、食事はすごく美味しく、柔道チームは毎食そこで食べた。
部屋は2LDKの部屋を4人で使った。シャワーの水圧が弱く、いきなりお湯が水になったこともあった。また、水洗トイレの水圧も弱く、紙をトイレに流さずゴミ箱に入れることに抵抗があった。
選手村周辺は厳重警備、マシンガンやバズーカを持った警護がいた。治安が悪いことを実感した。  


伊藤忠丸紅鉄鋼㈱提供
無断転載・使用禁止

 (順子さん)世界ランキング7位までの選手が出場。1回戦は世界ランキング2位のアゼルバイジャンの選手。相手選手の得意技の事前分析のお陰で勝った。2回戦はこれまで3戦3敗のブラジルの選手で会場の応援にも圧倒されて負けた。3回戦は3位決定戦で相手はスペインの選手。これまで勝てそうで勝てていない相手。悠さんのアドバイスのお陰で落ち着いて試合ができた。横四方固めで抑え込んで銅メダルを獲得した。  
メダルは約500グラム。視覚障害者にも何色のメダルか分かるよう、中に鉄球が入っていて、金メダルに近づくにつれて音が高くなるようになっている。裏には点字。  
 (悠さん)夫婦でオリンピック出場ということでマスコミにも注目された。1回戦はロンドンの金メダリストで有効負け。敗者復活戦はロンドンの銀メダリストに負けた。本当に運がなかった。  
(順子さん)入賞者ということで帰国後総理官邸に呼ばれた。総理大臣賞と厚生労働大臣賞を受賞。オリンピック選手と一緒に銀座パレードに参加。パレードでは予想以上に沿道から声援を浴び、色々な人に応援して貰っていることを実感。

2.世界で戦うために必要なこと

  1. 相手の分析 東京パラリンピックが決まってから国の補助がつき、動画、得意技、クセについてデータ提供がされるようになった。
  2. 弱点の克服 順子さんは寝技が苦手だったが、ブラジリアン柔術の道場で寝技を磨き、ジムで筋力アップを図った。苦手な寝技が克服できたら、得意の立ち技にも自信が持てるようになった。
  3. 全てを楽しむ 私生活を犠牲にして柔道をするのではなく、柔道をするときは全力でやる。私生活もしっかり楽しむ。
  4. コーチ 相手のことを認めて、ヤル気を引き出し、応援する。指導するのがコーチの仕事ではない。
  5. 目標を持つ 小さい目標を積み重ねて、大きな夢を叶える。
  6. 折れない心 あきらめないで続けてよかったことを実感。努力を続けていれば結果に繋がる。
  7. 日本代表として意識していること (順子さん)パラリンピック柔道は他の大会より応援してくれる方の数が多い。色々な人の応援が力に変わった。 (悠さん)どんな舞台でも平常心が大事。全て(日本、柔道、伊藤忠丸紅鉄鋼、視覚障害者柔道)を代表している意識を持って取り組んでいる。
  8. 大切にしていること 視覚障害者として、周囲の助けに対し常に感謝の気持ちを忘れないようにしている。
  9. 東京パラリンピックに向けて 2人でメダルを取りたい。 (順子さん)金メダルを目指したい。 (悠さん)会社に恩返しをするために、銀メダルを目指し、金、銀、銅メダルを揃えたい。 是非、東京パラリンピック柔道を応援して頂きたい。
  10. 共生社会(健常者、障害者が共生する社会)に向けて コミュニケーション不足を感じている。講演等を通じて、障害者を身近に感じて貰い、共生社会が実現できればもっと住みやすい社会になるのではないか。

以上






(関西地区幹事:八木 久喜)


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