行事報告

2019年06月24日 行事報告

2019年5月度中部地区社友会月例会

日 時 2019年5月16日(木)12:00~13:30
場 所 名古屋丸紅ビル9階会議室
講 師 丸紅㈱経済研究所 チーフエコノミスト 榎本 裕洋 氏
演 題 「世界の政治経済情勢の現況と見通し及び日本への影響」

ご挨拶される古賀支社長

 2019年5月の中部地区月例会は、丸紅㈱経済研究所チーフエコノミスト榎本裕洋氏をお招きして「世界の政治経済情勢の現況と見通し及び日本への影響」について講演をしていただきました。社友22名と古賀中部支社長他7名の現役の皆様の合計29名に参加していただきました。

 講演の前に、古賀中部支社長からご挨拶に続いて、史上最高益となった2018年度決算と2019年度予算の概要及び中期経営戦略(2019-2021年度)の内容についての説明をして頂きました。
 また、4月に着任の藤井名古屋業務課長と小船井情報・不動産本部長付をご紹介しました。

 講演は、「2019年の世界経済見通し」は「減速へ」との厳しいサブタイトルが付く現況及び見通しであるとの分析紹介で開演しました。以下が講演の概要です。


講師の榎本裕洋氏

 米国経済は世界経済を下支えするものの成長率低下。中国経済の減速が周辺国や資源価格に多大な影響を及ぼす。米中貿易戦争による中国経済急減速ブレグジット(英国のEU離脱)やイタリア財政問題などユーロ・EUのほころびなどによる一層の下方リスクが存在する。主要国の金融政策の解除プロセスにリスクの芽あり。米国の保護主義政策は続く、また米中の技術覇権争いに派生する米国の中国への規制措置に伴うリスクの増加影響あり。
 2019年の2大下方リスクは、国際金融環境の引き締まりと中国経済減速にあり。中国経済急減速はアジア諸国及び資源国への影響が大きい。
 米国経済は減速へ、株式・企業債務は過去のバブル水準にあり。欧州経済は米中貿易摩擦と中国経済減速、ブレグジットなどの影響で減速がより顕著。中国経済は減速するも更なる景気悪化は回避し6~6.5%成長は維持か、但し実質停滞の水準。日本は、景気拡大継続も成長速度緩慢のまま。
 今世紀に入っての日本は、貯蓄構造が以前の家計貯蓄に変わり、企業貯蓄の増加により政府赤字を穴埋めしている。企業は社内留保と配当を増やしてきた、賃金は以前から伸び悩みのまま。企業は自己資本を厚くし、戦略的株式保有を増やしてきた。

 冒頭の「減速へ」の衝撃分析からはじまり、厳しい現況と見通し内容での講演でしたが、明快な分析に基づく世界政治経済の現況と見通し及び日本への影響についての解りやすく的確な説明に参加者一同講演に聞き入っていました。また、出席者各位より質問が続く活発な講演会となりました。

(中部地区幹事:立川賢司)


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