行事報告

2019年04月12日 行事報告

2019年4月度関東地区社友会月例会

日 時 2019年4月3日(水)12時より
場 所 丸紅東京本社(東京日本橋タワー)23階 大会議室
講 師 プロゴルファー・ゴルフ解説者 タケ 小山 氏
演 題 「屋根裏が語る ゴルフの世界」

 2019年4月度の関東地区月例会は、プロゴルファーで、ゴルフ解説者としてもお馴染みのタケ小山さんをお招きし、「屋根裏が語る 世界のゴルフ」と題して講演いただきました。タケさんは、現在、プロゴルファーとしてシニアツアーを中心に活躍される一方、TBSテレビ「サンデーモーニング」での手作りで分かりやすいゴルフ解説に定評があり、当日も100名を超える社友が出席し、その人気の高さを物語っていました。

 講演では、普段のゴルフ解説では聞けない話題も多く、ユーモアを交えた軽妙なおしゃべりに会場全体が引き込まれました。また、長年の滞米経験を踏まえて、日米のプロゴルフ界を比較しつつ、日本のプロゴルフ界の課題もお話しいただきました。

 先ずは、出席している社友(当然ながら、シニアゴルファー)に対して、一言アドバイスとして、「自分のショットの飛距離を知ること」とのお話がありました。ゴルフは本来パーオンが醍醐味であり、昨今はティーグラウンドにシニアティーも含めて何段階か設定されているので、それを使用してプレーすることを勧められました。

 TV番組「サンデーモーニング」でのゴルフ解説について、TBSに放映権があるものは全て利用できるが、他局に放映権のある映像はダイジェストにならざるを得ない。使用料を払って映像を分けてもらうこともあるが、解説材料は自分で工夫し、時間をかけて作っているとのことです。

 プロトーナメントに出場する場合、1試合で20~30万円の費用が掛かり、プロのキャディにお願いすると、10~12万円の負担になる。一方で、JGA(日本ゴルフ協会)主催の一部オープントーナメントを除き、予選を通過しないと賞金はゼロで厳しい世界だそうです。

 2019年の男子プロトーナメントを日米で比較すると、日本は24試合で賞金総額42億円、米国は47試合で賞金総額400億円と、試合数・賞金総額ともに大きな差がある。今年は、新たに日米ツアー共催で「ZOZO チャンピオンシップ」が日本で開催されるが、賞金総額が11憶円と巨額で、その内50%が日本の賞金総額に加算される。このトーナメントには78名が参加するが、予選カットがなく、最下位でも賞金500万円とのこと。

 2019年の女子プロトーナメントを日米で比較すると、日本は39試合で賞金総額40億円、米国は33試合で79億円。日本は試合数が多いが、賞金総額では米国が倍となっている。今年の日本の女子プロトーナメントは、放送権問題で今シーズンが始まる当初3試合の開催が危ぶまれたが、昨年発表のスケジュール通り年間39試合が行われる。これは放映権をめぐって日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長と一部のTV局が対立しているため。小林会長は協会の持続的な財政基盤を整えたいとして、放映権を協会で一括管理させて欲しいとTV局に要請したが、TV局としては、女子プロトーナメントの人気はスポンサーとTV局の役割が大きかったと主張して譲らない状況だそうです。

 日本の場合、1960年代以降のプロスポーツの放映権は、TV局がほとんど保有しているが、LPGAにとって、放映権の取得は避けて通れない課題。一方、男子プロトーナメントの放映権については、今のところ手付かずとのこと。
米国の男子プロトーナメントは、年間47トーナメント中、メジャーの4試合を除き、「PGAツアー」が放映権を持っている。メジャートーナメントについては、各主催者が管理しており、ちなみに、マスターズ・トーナメントの日本での放映権は、TBSが買っている。TBSはマスターズ・トーナメントの映像を自由に使用できるが、それ以外のトーナメントについては、一般のニュースソース以外は、放映権を買った他局から秒単位で映像を購入することになるとのこと。

 米国のトーナメントは、スポンサーがついて賞金が高額化しているが、原資は入場料が基本であり、スポンサーが付かなくても継続できる。一方、日本のトーナメントは入場者が少ないため、スポンサーが付かなくなるとトーナメントが無くなる。ちなみに、2018年の米国フェニックス・オープンでは、72万人もの入場者数となった。米国のトーナメントプロも、入場料が賞金の原資になっていることを理解しているから、ファンサービスにも積極的で、ファンへのサインも時間を惜しまない。ファンの方を向いているということ。日本のトーナメントプロも見習うべきとの指摘です。

 マスターズ・トーナメントはTV中継を見てわかる通り、ゴルフ場に企業名が一切無い。スポンサーが必要ないからで、収入はギャラリーとサプスクリプションからの収入。ちなみに2015年の売上は115億円。舞台となるオーガスタ・ナショナルGCは、近年ようやく黒人や女性のメンバーを認めたことでも特別な歴史をもつGCとのこと。

 タケさんは、今年のシニアツアーにも参戦されるとのことで、本業でのご活躍を期待するとともに、日本のゴルフ人口増加に向け、ゴルフの楽しさを広く発信し続けていただきたいものです。

 最後にタケさん曰く、4月11日から始まる今年のマスターズ・トーナメントでは、タイガー・ウッズ、ロリー・マキロイ、日本人では今平周吾が期待できるとのこと、果たして結果はいかに。

(関東地区幹事:斉藤正視)



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