行事報告

2018年04月26日 行事報告

2018年4月度関西地区社友会月例会行事報告

日時 2018年4月26日(木)
場所 丸紅大阪支社31階大会議室
講師 大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 神出 計(かみで けい)教授
演題 健康長寿で生きるために何をする?

 今年の関西地区社友会4月度月例会は、大阪大学大学院医学系研究科 神出 計 教授をお招きし、私達社友の最大関心事である「健康長寿」について講演をして頂きました。参加者の皆さんは、興味深い講演内容に終始熱心に耳を傾けておられ、講演後の質疑応答も活発に行われましたので、講演会は大変盛り上がりました。以下、講演の概要です。

  1. 超高齢社会の到来と活力ある社会の実現 日本は、年少人口の急減と高齢者の急増、つまり超高齢社会を迎えており、医療費・介護費を含め社会保障費は増大推移を辿っている。全ての国民が共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現するため、健康寿命の延伸が国の目標に掲げられている。
  2. 健康寿命の延伸 高齢者は、加齢と共に、心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高い状態(フレイル)になる。その実態把握の調査・研究に基づき、レベル対応の予防対策を実施し、高齢者が人手を借りず自立して生きられる時間(健康寿命)を延ばすことを目指している。このためには、社会環境の整備と共に、高齢者個々人の意識・自覚が求められる。
  3. 健康長寿に関連する要因 調査・研究結果によると、「運動・栄養・社会参加」が健康長寿の関連要因となる。運動・就労し、しっかり栄養を摂取し、積極的に社会参加することが健康長寿に繋がっている。 このことは、百寿者の多い兵庫県・但馬地域の調査結果でも実証されている。
  4. 認知機能に影響する要因 認知症になる要因は色々あり年代により異なるが、高血圧の管理は健康寿命延伸のために必要である。高血圧と糖尿病を合併する場合は、認知機能低下の関連因子となり、ほかに喫煙歴も関連する。特に後期高齢期の認知機能低下予防には、栄養摂取が肝要である。
  5. 健康長寿の指標 認知証、フレイル、ロコモ(移動機能低下)など老年症候群を予防し、介護を受けないために、身体機能維持(握力、歩行速度、筋量)、栄養摂取(BMI、蛋白摂取量)、認知機能維持(もの忘れ度)、そして、生活習慣病の適切な管理が重要である。
  6. 新しい保健指導法の開発 現在、私共は、健康長寿を目指し、アスリート・美・憧れ・魅力・楽しみをキーワードとした、民間企業と連携した新しい保健指導プログラムの開発に取り組んでいるので、是非ご参加頂きたい。
  7. ビンテージ・ソサエティの実現 今後、社会保障制度を保持するために、高齢者が社会の力となる形態、つまり、健康長寿の人達が、要介護の人達を支えることができる仕組みを実現できれば望ましいと考えている。




(関西地区幹事:羽場 知廣)


行事情報トップページへ