行事報告

2019年03月05日 行事報告

2019年2月度関東地区社友会月例会

 日 時  2019年2月14日(木)12時より
場 所 丸紅東京本社(東京日本橋タワー)23階 大会議室
講 師 気象予報士 天達武史 氏
演 題 「天気の達人 天達気象予報士が語る『気候変動と地球の未来』」

 2019年最初の関東地区月例会は、2月14日(木)、フジテレビ系列「情報プレゼンターとくダネ!」の気象キャスターとしてお馴染みの気象予報士、天達武史氏をお招きし、「天気の達人 天達気象予報士が語る『気候変動と地球の未来』」と題してご講演をいただきました。
 「とくダネ!」は、毎週月曜日から金曜日の朝にオンエアされており、当日も番組終了直後のお疲れの中、お台場のフジテレビから駆けつけていただきました。天達さんは、この番組では既に13年間、気象情報を担当されていますが、TVの気象キャスター・気象予報士のランキングでは常にトップクラスの人気を誇り、特にご婦人方の人気が高いことより、今回の講演会でも、参加者約100名中、女性が10名余りを数えるという、いつにない状況が見られました。

 気象情報は我々にとって日々身近な話題だけに、講演ではTVの生放送の裏話なども交えながら、イラスト・写真・動画などで理解しやすいように編集したスライドで、またクイズ形式も取り入れて、分かりやすく説明され、出席した社友の皆さんも楽しみながら聞き入っていました。

 天達さんは、天気を肌で感じることが大切であるというお考えで、番組での天気予報は、スタジオの中からではなく、外から伝えることを信条としているとのこと。最近の天気予報では、2月に入って「雪」の予報が一番難しく、特に気温0℃前後で「雪」となるか、「雨」となるかの判断が悩ましいそうです。

 天気予報を見る上で、参考になったお話をいくつか挙げると、
●天気予報の言葉として、午前零時から3時間ごとに、「未明、明け方、朝、昼前」、午後零時から3時間毎に、「昼過ぎ、夕方、夜の初め頃、夜遅く」と表現している。従い、「夕方」であれば、午後3時~午後6時の時間帯のこと。

●天気予報の精度(降雨の有無)で、2018年1年間の東京を例にとると、前日午後5時における翌日の予報では、適中率88%、見逃し率(晴の予想が雨)6%、空振り率(雨の予想が降らず)6%。適中率は約9割で、予報が外れる理由は、最初の観測がずれること。

●週間天気予報には、幅(ずれ)が生じ、「時間のずれ」と「場所のずれ」を考慮する必要がある。気象庁HPの週間予報を見るときは、日付毎の「信頼度(ABC)表示」も参考になる。

 また、異常気象関連では「ゲリラ豪雨」の前兆となる積乱雲や風による予測、「雷」発生時の建物の無い場所での避難の仕方、「竜巻」発生の恐れがある危険な雲などについて、動画やイラストでご説明いただきました。

 昨今の温暖化の状況として、日本の最高気温は2018年7月に熊谷市で、41.1℃を記録し、昨年は日本各地で最高気温が40℃台に達したとのこと。
 本来はこの後、演題にもある「気候変動と温暖化」についてお話しされる予定でしたが、残念ながら講演の終了予定時間になってしまいました。

 最後に、地球温暖化が進んだ未来の天気予報として、「2100年 明日の予想最高気温」を日本地図のイラスト上で示されましたが、主要都市では、東京44℃、大阪45℃、名古屋44℃、福岡44℃、札幌41℃と、各地ともに40℃を超える高温になることが常態化する可能性を示唆されました。
 温暖化対策として我々にできることは、緑を増やすことがひとつの方策であり、例えば、東京23区を「緑のカーテン」で覆えば夏の気温を2℃下げるという研究結果もあるそうです。

 TV各局の天気予報は、基本的には同じ気象庁のデータを基にしており、気象キャスターの役割は、それを翻訳して分かりやすく伝えることですが、今回の講演を通して、天達さんは、気象予報士としての信頼感に加え、誠実な人柄が人気の秘密であることを実感しました。これからも「天達」という名前そのままに、「天気の達人」として視聴者目線での気象解説を大いに期待したいものです。

(関東地区幹事:斉藤正視)



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