行事報告

2018年10月17日 行事報告

2018年10月度中部地区社友会例会行事報告

日時 2018年10月17日(水) 10:30~15:00
場所 KKRホテル名古屋及び名古屋城本丸御殿

 中部地区社友会10月度例会では、KKRホテル名古屋での講演会と名古屋城本丸御殿の現地見学会を行いました。秋晴れの好天に恵まれて、27名の社友と古賀中部支社長以下7名の現役を合わせ、34名の参加を頂きました。

 講演会では、名古屋城総合事務所保存整備室の岩本渉室長より、「名古屋城の将来についてと本丸御殿の見所」と題して解説を頂きました。
 名古屋城は徳川家康の命により慶長15年(1610年)に築城着手され、慶長17年(1612年)に天守閣、慶長20年(1615年)に本丸御殿が完成しました。 
 江戸時代初期において、名古屋城・江戸城・大阪城の三天守閣は他の城郭を圧倒する存在でしたが、名古屋城天守閣のみが昭和の時代まで残りました。名古屋城は1930年に城郭建築における初めての国宝に指定されましたが、1945年5月の名古屋空襲により天守閣・本丸御殿など、本丸のほとんどを焼失しました。
 天守閣は、1959年に鉄筋鉄骨コンクリート造で再建され、以来、名古屋のシンボルとなっていましたが、設備の老朽化や耐震性確保の問題があり、今年5月で閉館されました。名古屋城は「金城温古録」や「昭和実測図」、「ガラス乾板写真」などの豊富な資料が保存されており、天守閣は木造での復元を2022年12月の竣工を目指して、現在計画進行中です。
 本丸御殿の復元は、2009年にようやく着手され、2013年に第一期公開、2016年に第二期公開を経て、今年6月より第三期の完成公開に至りました。
 本丸御殿は、当初は藩主徳川義直の住居及び政治の場として、二之丸御殿に藩主が移ってからは将軍が上洛する際の宿舎として利用されました。近世城郭御殿の最高傑作とされ、現在国宝に指定されている京都二条城の二の丸御殿と並ぶ武家風書院造の双璧と言われていました。
 復元は天守閣と同様に、保存されている豊富な資料と戦災焼失の数か月前に御殿から取り外されて乃木倉庫に運び込まれ難を逃れた御殿内の障壁画(1047面が重要文化財に指定されている)の復元模写により史実に忠実に行われ、400年前そのままの木曽檜を使用した木造建築の豪華絢爛な姿が完成しました。  
 講演では、本丸御殿内の玄関・表書院・対面所・鷺之廊下・上洛殿・上御膳所・上台所・湯殿書院のそれぞれの紹介と障壁画・天井・彫刻欄間の格式の違いなどの詳細な説明があり、本丸御殿に関する情報満載の充実した講演会となりました。


(中部地区幹事:立川 賢司)



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