日 時 | 2015年10月15日 |
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場 所 | 丸紅東京本社16階講堂 |
講 師 | 飯島勲氏 |
演 題 | 「政局を語る」 |
小泉政権を支え、今回安倍政権に参画した飯島参与をお招きしての講演、「政局を語る」とのテーマで広範囲に亘り飯島節が展開しました。講演の概要は以下の通りです。
今回、政権に参画したのは、安倍総理から直接の要請を受けたからで、第2次安倍政権を長期政権として支える覚悟で引き受けた。
まず、今の政治家の政治スタンスについて危惧している。
後援会組織がしっかりしている伝統的な箱型タイプの政治家は、後援者の反応を勘案して政策判断をして当選し、従来は8割を占めていたものの、最近は駅前演説で無党派層の人気を得て当選する街頭型タイプの政治家が増えている。このタイプの政治家は支持者の意向が反映されないので、政治基盤が定まらず危険なタイプである。さらに、派閥の長にビジョンが無く、益々政治の方向性が定まらない。
次に、3年3ケ月で終わった民主党政権について。
マニュフェストを掲げ選挙に勝ったのはいいが、その内容がお粗末で与党として実行可能な議論を踏まえ作成していなかったので、何も実行出来ずに終わった。経済も停滞した無駄な政権だった。政権運営についても、菅政権は第174国会で強行採決を乱発し、これも民主党が政権与党としての資質に欠けている証明だ。
目先の政治テーマは、臨時国会を開催するか否かである。
政権内部には開催しないとの判断があるが、私は12月から越年開催すべきと考えている。懸念された安保国会も大規模デモ後の日経新聞アンケートでは、政権支持率が反転回復した。政権与党の資質に欠ける民主党が自民党政権の採決を云々する立場にはなく、これといった攻撃材料のない野党を恐れる必要は無いと考える。12月31日の所属議員数で決まる政党交付金を控え、野党再編の動きも鈍ると推察する。
一方、新3本の矢とは何か?2020年のGDPの目標を600兆円としているが実現可能か、注目したい。
ジュネーブの国際経営開発研究所による最近の発表では、日本の総合評価は、対象57ケ国中先進国グループ内で8位から6位に上昇している。経済力の上昇も長期安定政権でないと実現出来ない。
外交について。
中国はAIIB関連の動きと為替動向に注意を要する。人民元の基軸通貨化を目指していることは円にとって悪影響がある。
習政権について、個人的に信用出来ると考えている。閣僚の靖国参拝を事前通告することで反日運動と内政干渉しないとの条件を出したが約束を守っている。尖閣も落ち着いているが、この問題は終わっていない。
北朝鮮は拉致問題の報告が遅れているが、日本は今受けたくないのが本音。平壌では、暗殺未遂事件も起きている。先入観で見ないほうがいい。北朝鮮には663兆円規模の地下資源があり、世界162ケ国が国交を持ち、資源開発に多くの国が関心を持っている。冷静な判断が必要。
ロシアの関心は、シベリア開発。日本の参画を期待している。原発汚染問題の解決にロシアの技術を活用できると考えている。
今後の大きな課題は、国家としてのインテリジェンスの活用。各国の情報機関との関係構築も必要となっている。
政権は長期政権であるべき。長期政権でないと国家は発展しない。私は安倍政権が長期政権となるよう尽力することが使命と考えている。
最後に、このように語って、終始エネルギッシュな講演を締めくくられました。
(文責:川副 信二)