日 時 | 平成24年5月10日(木) |
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場 所 | 丸紅大阪支社2階講堂 |
講 師 | 美甘哲秀氏(丸紅経済研究所所長) |
演 題 | 「世界経済の行方-真の夜明けか、偽りの夜明けか?-」 |
5月の例会はゴールデンウィークの後半の天候不順からは打って変わった「五月晴れ」の5月10日に開催されました。当日は丸紅経済研究所 美甘所長を講師にお招きし「世界経済の行方―真の夜明けか、偽りの夜明けか?―」の演題で講演いただきました。
「真の夜明け」とはそれぞれの国での潜在成長力を超えての継続的な成長と定義され、世界各国の経済指標を基に分析、今後の成長力を予想。それによりますと「真の夜明け」は中国が今年後半に、米国は今年末に、日本は来年半ばに、欧州はその後に来るとの予測で中国は米国・日本より早い「夜明け」との見通でした。
我国については復興需要があるもののまだまだ「偽りの夜明け」で「真の夜明け」は来年以降ではないかと。また今国会で消費税増税が通らないと2~3年は出来ない。よって5年後の実施となれば、「国債の格下げ」―「国債下落」―「金融機関の評価損」―「クレジットクランチ(信用収縮)」の危惧を提起されました。
まさに世界の経済が激動する今、関心の高いホットなテーマに出席の会員から、活発な質問がありました。EU情勢・原油等の状況が極端に悪化した場合には想定している「標準シナリオ」は狂うとの説明のあと、会員をあまり驚かしてはいけないとの思いからか控えめな発言もあり、悪化を食い止める為の「国民への啓蒙活動」と「政治の最終決断」が大切と締め括られました。
(文責:坂上辰雄)