行事報告

2012年10月16日 行事報告

関東地区10月度月例会

日 時 平成24年10月16日(火)
場 所 丸紅東京本社16階講堂
講 師 竹田恆和氏(日本オリンピック委員会会長)
演 題 「ロンドンオリンピックと2020年東京招致へ向けて」

 今月の例会はJOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恆和氏をお迎えし、今年の日本の暑かった夏をいっそう熱くしたロンドンオリンピックでの日本選手の活躍と2020年のオリンピック東京招致運動について以下の事柄を中心にお話いただきました。


 ロンドンで日本選手団は史上最多となる38個のメダルを獲得しました。卓球、柔道、レスリング等で女子選手の活躍が目立った一方で、なでしこ、フェンシング、バドミントン等初めてメダルを獲った団体競技も沢山ありました。金メダルの数こそ柔道、体操の不振が響いて目標に達しませんでしたが、大会期間を通じてほぼ毎日何らかのメダル獲得のNEWSをお届け出来たことは良かったと思います。


 また、8月20日のパレードには50万人の方々が集まってくれたのは驚きで、スポーツが世の中に与える影響の大きさを改めて実感しました。今回の日本選手団活躍の背景の一つとして2008年に北区西が丘に完成したナショナル・トレーニングセンターの効果が出始めたことを感ぜずにはいられません。今後共、バックステージでの施策/支援体制の充実を一層図ることにより、女子サッカー、フェンシング等での若手の育成、JUDOの建て直し等、将来へつなげていきたいと思っています。


 来年9月には2020年大会の開催都市が決まります。東京、マドリード、イスタンブールの3都市でIOC委員109人の票を競う訳ですが、第一回投票で過半数を何処も獲れなかった場合は上位2者の決選投票となります。
 オリンピックの開催は青少年に夢と希望と感動を与えるまたとないchanceです。


  • 1964年東京オリンピックから既に半世紀が経ち、国立競技場等の主要施設も老朽化し、世界基準に合わなくなっています。この為、2002年のサッカーワールドカップ、2007年の世界陸上でも国立競技場は使用できませんでした。再び東京オリンピックを開催することは48年前のレガシーの復活には最善の途だと思っています。
  • また、観光立国を目指している日本ですが、海外からの観光客は年間600万人に過ぎず、米国の6,000万人、フランスの7,700万人等とは大きな差があります。もし、2020年東京オリンピックが決まれば、世界から「TOKYO」に注目が集まります。
  • 東京で開催となれば、選手村をはじめとして晴海を中心とした半径8㎞のベイエリアが中心となり、人の移動もスムーズに行われます。また東京都は2016年招致の際に 施設整備の準備金を約4,000億円積み立てており、これはそのまま使えます。オリンピックの経済効果は3兆円、新規雇用は15万人と試算されており、この4,000億円は決して無駄なお金にはならないと考えています。
  • 震災復興のシンボルとして日本でオリンピックをやるなら東北でとの声もありますが、来年1月までに開催立候補都市は全ての施設がきちんと完成するギャランティーを求められます。建設予定地の確保、契約書、財政保証等をそれまでに整えるのは基本的な復興計画も固まっていない現状で、それを東北地方に求めるのは事実上不可能でしょう。東京であれば、確実に安全かつ安心なオリンピックが財政的にも開催できるということです。もちろん例えばサッカー予選を仙台でということは可能です。
  • 開催候補3都市の「国民の支持率」は現在、以下のようになっています。


賛成 どちらでもない 反対
東京 47% 30% 23%
イスタンブール 73% 25% 3%
マドリード 78% 5% 16%

 マドリードは計画内容はVery goodですが、財政的な問題もあり、またイスタンブールは大きなスポーツの国際大会開催の実績に欠け、political riskの懸念もあります。東京とて地震、エネルギー問題等言われていますが、今回のロンドンオリンピックの記憶も新しい中、上記の「どちらでもない」30%の方々には是非YESと意思表示していただけるよう努力したいと思っています。


(文責:渡辺)


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