行事報告

2012年11月20日 行事報告

中部地区11月度月例会

日 時 2012年11月20日(木)
場 所 名古屋支社9階会議室
講 師 植松 久芳氏(うえまつ ひさよし)
NPO法人 ウェザーフロンティア東海 理事長
演 題 気象と暮らし ― 気象情報を活用して安全で快適な生活を

 当日は肌寒い中、会員32名のご参加をいただき、NPO法人 ウェザーフロンティア東海(WFT)理事長であり、気象予報士の植松久芳氏に標題に関し、今回は身近な基礎知識をベースに防災・健康情報等のご講演をいただきました。


講師 NPO法人ウェザーフロンティア東海
植松理事長

1. 気象を知る - 自分でできる天気予報

 観天望気(雲の高さ、形、色、流れ)を知ることにより、天気を数日~1週間の予想ができる。天気が悪くなる前に現れる「巻雲」「巻層雲」、雨や雪が降る「高層雲」「層積雲」、雷や突風を伴い、さらに強い雨や雪、ひょうを降らす「積乱雲」等を写真で説明いただきました。また、低気圧の接近時に出ることが多い「飛行機雲」、更に、突風・強雨の起りそうな空―乳房雲・アーチ雲の現象も非常に参考になったと思います。
 特に積乱雲は冷気により上昇気流が生まれ、次の積乱雲が発達を始め、接近した親雲がつくりだした冷気がぶつかり合って新たな積乱雲が生まれるという自己増殖型であるという雲もあるとのことです。この積乱雲が線上に連なることにより豪雨をもたらす危険な雲でもある。


 天気図から数日~1週間先の予想、週間予報、天気予報を知ることが出来る。例えば、集中豪雨の起こりやすい気圧配置・天気図で実例を元に紹介がありました。気象情報では「時々」と「一時」の情報の違い。
 「時々」- 現象が断続的に起こり、現象があらわれる期間の合計が予報期間の2分の1未満の時
 「一時」- 現象が連続的に起こり、現象があらわれる期間が予報期間の4分の1未満の時
 余談:予想があてにならないもの 景 人、天


2. 防災情報として活用 - 大雨警報、土砂災害警戒情報、洪水警報等 自然災害から身を守るための知恵・知識の説明


補足:地の理(ことわり)を知る
    地名から判断し、危ない地域かどうか
    水害、地震による液状化が予想される地名として、
    海(鳴海)、灘、池、沼、河、窪、沢、深、江、
    田(新田)、新開、落合、河合、二股 などは土砂災害が予想される
    谷、竜―流、沢、蛇→蛇抜け、梅→埋め


3. 生活情報として活用 - 例えば、健康情報として


気象病発症の要因(花粉症、リュウマチ、食中毒、インフルエンザ、風邪、アトピー、うつ病 等)
● 一日の気温の変化(前日との気温差、朝、昼、晩の気温の大きな変化)概ね10度
● 急激な気圧の変化(半日で数10hPa)
● 湿度の変化 半日~1日で数10%

突然死の原因の多くは気象との関係が深い
1. 熱中症
2. 心筋梗塞
3. 脳卒中(脳血管障害)-脳出血(脳内出血、くも膜下出血)、脳梗塞

上記突然死予防には
危険を回避する(暖かい建物から外にでる時など、寒暖の激しい場面では血管に負担がかかり、危険な場合がある。)
普段からの予防(喫煙、過度の飲酒、高血圧、肥満等の生活習慣病の予防、過度のストレスからの回避

上記が当日の講演概要です。


講演風景

 日頃何気なく聞いたり、見たりしている天気情報ですが、なかなか奥深く、今後テレビなどの天気図を自分なりに判断できるのではと感じたのではないでしょうか。また特に健康にも役立てていきたい項目もありました。
 講演終了後、質疑応答に入り会員より上記説明以外で原発に関する質問があり、関電/敦賀が万が一の場合、活断層・風の影響はどうなるのかなど、近い将来に対する不安の発言がありました。これに対し、植松氏は調査委員会の報告内容は地勢データなしで、単なる年間の風向きだけをもとにしており、報告書も何度も訂正し、発表されたもので、科学的なデータとなるものが不明で、信用出来ないとの説明がありました。

 尚 講演に先立ち、生駒副支社長より丸紅の決算(2013年3月度)に関し、純益2,000億円は堅いとの見通しのご発言がありました。また、丸紅基金に関し、今年度の助成先は全国60件、その内中部地区関連では9団体に贈呈書類を届けた旨、説明をいただきました。
 次回新年互礼会(2013年1月24日)での再会を約束し、例会終了いたしました。


(文責:龍田 陽)


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