日 時 | 10月14日(水)12:00〜13:30 |
---|---|
場 所 | 東京本社16階講堂 |
講 師 | 石川 好 氏(作家、評論家) 米国、中印との関係を含む多岐の分野で評論活動。1989年「ストロベリーロード」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞 新党さきがけの名付け親でもあり与野党を問わず有力政治家との人脈などを通じ政治活動にも深く関わっている |
演 題 | 「日本の新政権の課題と展望」 |
まず「政権交代」とはどういうことか。
政治は税金に始まり税金に終わると言われるように、税金の集め方、その使い道が変化するということである。
なぜ世界有数の経済大国日本が、国と地方を合わせ800兆円を超える財政赤字を作りだしたか。それは税金を集める人(政府)と税金を使う人(政府)とさらにはそれを帳簿につける人(政府)が50年の長きにわたり同じ人間(政府)が行なってきたからである。
かっては政権(体制)交代のため流血革命(中国、フランス、ロシアなど)が起こっていた。これは犠牲が大きすぎるので,近代社会は民主主義(選挙による政権交代)政治を理想に掲げた。
今日本は歴史上はじめてその入り口に立った。
鳩山民主党政権は前政権が計上した14兆円あまりの補正予算の見直し削減を進めているが、現下のところ必ずしもうまく行っていない。
これは当然のことで50年も一党が支配したその税の使い道を変更するということはまさに「革命」であるが、選挙による政権交代であるが故に誰も「革命」とは呼ばない。これから国民が直面する事はあのフランス「革命」の時に起こったような混乱である事を民主党にも国民にもその自覚が無い。これが鳩山政権の心配の種である。
ただ一方の自民党は、すでに次に政権を担うだけの組織の体をなしていない。今回の総選挙で当選した新人議員はわずか5人である。近い将来消滅の危機すら伺える。このままでは逆に民主党の一党支配が続く懸念もある。これからの政局の重要なポイントは来年の参議院選挙である。
さすがに小沢幹事長は民主党が単独過半数を得るべく精力的に活動しているが、そう容易な状況ではない。
政局のキャステイングボートを握るべく新しい動きが出てくるのではないか。
例えば一部の自民党議員などを中心に参院新党を立ち上げ民主党政権を揺さぶり将来対抗軸としてのし上がるというような構想を持った動きなどが出てくると面白い。