趣味のコーナー

2018年05月18日 趣味のコーナー

MCC 200th

代表:久保田侑義

 我々昭和一桁世代にとって、パソコンは厄介な代物である。


 現役サラリーマンを卒業した1995年頃に世の中に突如溢れ出し、パソコン抜きでは生活が出来ないほどの急激な進化を遂げつつ我々の生活に浸透して来た。


 OBとなって仕事が無くなったという無聊感を埋めるにも適当な刺激であったし、何よりも世の中の大勢に遅れまいとすれば、パソコンを学ばねばならないという焦りもあった、が、何よりも見るもの聴くものがすべて新鮮で面白くのめりこんだと云うのが正直な所である。


 さて、こうして丸紅OBのパソコン・クラブが始まったのだが、臆面もなくMCC(Marubeni Cyber Club) と称したものの、全てが目新しく適当な指導者も居ないままで一同手探り状態であった。


 謂わば平成の「蘭学事始」のようなもので、毎月一回第三金曜日に集まって甲論乙駁のよちよち歩きは、お笑いの連続…


 会場も銀座芙蓉クラブ~如水会館~神楽坂コート~丸紅本社一階のコンチェルトと渡り歩いた挙句にやっと現在の日本退職者協会事務所の会議室に落ち着くまでに10年かかってしまった。


 現在は広い会議室にパソコン、プロジェクター、ホワイトボードを備え、ネット接続も可能なWi-Fi環境も具備しているので、毎回の話題提供のテーマをプレゼンするには快適な場所である上に、そこがITのメッカ秋葉原の一角であることは嬉しい限りである。


 会の決まりは全員が自前のパソコンを所有し、ネット接続してE-mailが通じる事、各自がアンチウイルス・ソフトを備え、年初に安全確認のためパソコンのスキャン結果を公示する義務を負う、月例会の出席をするということだけである。


 私自身パソコンを始めたのは1996年3月、富士通のデスクトップ(ウィンドウズ95)からだが、生まれて初めての世界で用語の一つ一つがまるで判らない、おまけにトラブル続出でパソコンで何か仕事をするというよりは、むしろパソコンに振り回されて疲れ果てる毎日だった。


 1999年半ばには集まって来た同好の士の、機種選びから買い付け、立ち上げ、回線接続などをおひとりずつお手助けして何とか全員がパソコンを使えるようになったわけで、若気の至りとは云え図々しい身の程知らずの先達であったと今では冷汗三斗の思いである。


 小林通利さん(昭和25年入社)、小畠豊康さん(同26年)、大塚康さん(同32年)、大塚昭さん(同34年)、橋本大道さん(同36年)、徳田浩次さん(同35年)に久保田(同31年)が加わり7人が創設のメンバーである。


 その後参加者が増えて、最盛期には19人にまでなったが、就中矢野昭二さん(同35年)はこの道の識者であるばかりでなく、極めて懇切丁寧な指導と事故対応をして下さったので、全員が「ドクター矢野」には随分とお世話になったことを特記して改めて感謝の意を表したい。


 最初の一年間のテーマを眺めると、微笑ましいお勉強ぶりが伺える。



 IT世界は進化が速く、次から次へと新しい話題が雨後の竹の子のように生れて来るので、折角覚えた知識は直ぐに古くなり、ハードウェア・ソフトウェア共にバージョンアップ、グレードアップが重なって行くので、老人には追いつくこともままならず、戸惑うばかり‥‥。それでも好奇心は絶やさずにと、ほとんど休むことなく毎月の例会はこの4月で200回を迎えることになった。


 メンバーで他界された方も6人に達し、今では荒川正三さん(同34年)、大塚昭さん(同34年)、橋本大道さん(同36年)、広田丹さん(同32年)、矢野昭二さん(同35年)、吉田益坦さん(同32年)、それに故田中弘文さん(同35年)の奥様・益美さん、それに久保田を含めた8人の7人のみが常連メンバーと少し淋しくなっている。


 IT世界もパソコンからモバイルが主流となり、タブレットやスマホが幅を利かせているが、我々高齢者はあまり外出しないので小型のデバイスの小さな文字には馴染難く、おまけにアップル、アンドロイドというOSにも上手く対応出来ないのが悩みである。


 従って毎月のテーマ選びもIT中心というより、内外の政治経済をどのようにWebで拾うかというように変わって来て、毎月の「電脳紙芝居」と称するプレゼンはかなり昔とは異質なものになっている。


 ネット上の情報を集め、パワーポイントで編集し、YouTubeを混じえてのプレゼンをする。それをPDFに書き換えてホームページにアップロードするというのが昨今の定番であり、外題もその時々のテレビのバラエティ番組のテーマのようになってしまっている。



 つまるところ、現在のMCCはもはやIT研修の場ではなくなり、IT技術を駆使(?)してのプレゼンで話題を提供し、老人がそれをタネに懇談する場に変貌したというわけである。


 世の中の進化の速度は益々早まり、AI,ioT、VR等々めまぐるしいばかりであり、通信回線も5Gが目前となっている。まだまだ呆けてはいられないのだ。


 21世紀にまで生き永らえ、このような刺激に満ちた老後を過ごせることは予想だにしなかったことと、改めて痛感させられる日々である。



尚ご興味ある方は下記のMCCホームページを御一覧頂ければ幸いと存じます。

http://mcc.gs/

(代表:久保田侑義)


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